■職務・権限
取締役は、株式会社の業務を執行します(会社法348)。
取締役会設置会社の業務を執行するのは、次に掲げる取締役です(会社法363)。
①代表取締役
②代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
取締役会は、すべての取締役で組織され、次に掲げる職務を行います(会社法362)。
①取締役会設置会社の業務執行の決定
②取締役の職務の執行の監督
③代表取締役の選定及び解職
■員数
株式会社には、株主総会とともに、取締役を必ず置かなければなりません(会社法326)。
取締役会設置会社の場合は、取締役は、3人以上でなければなりません(会社法331Ⅳ)。
一方、取締役会設置会社以外の会社の場合は、取締役は、1名か又は2名いれば足ります(会社法326)。
通常は、定款で取締役の員数を定めます。
■資格
取締役は、必ず発起人の中から選出しなければならないわけではないので、企業経営の能力のある人材を広く社外からも求めることができます。
公開会社の場合は、定款をもってしても取締役の資格を株主に限ることはできません。
一方、公開会社でない株式会社(株式譲渡制限会社)の場合は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができます(会社法331Ⅱ)
取締役は、企業経営の能力を信頼されて選任されますので、自然人に限られ、会社その他の法人は株主になることはできますが、取締役になることはできません。
未成年者でも意思能力のない幼少の者でなければ、取締役に選任することができます。
次の欠格事由に該当する人は取締役になれません(会社法331Ⅰ)。
(1)法人
(2)成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
(3)この法律若しくは中間法人法(平成十三年法律第四十九号)の規定に違反し、又は証券取引法第百九十七条第一項第一号から第四号まで若しくは第七号若しくは第二項、第百九十八条第一号から第十号まで、第十八号若しくは第十九号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号まで、第二十一号若しくは第二十二号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十五号若しくは第十六号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
(4)前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
■任期
取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなります。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することができます(会社法332Ⅰ)。
公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く)において、定款によって、取締役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます(会社法332Ⅱ)。
■選任方法
取締役は株主総会で選任します(会社法329)。
■辞任
会社との関係は委任関係ですので、いつでも辞任することができます(会社法330)。
辞任する場合は、一方的な意思表示をすることで効力が生じ、とくに会社の承諾は必要ありません。
ただし、やむを得ない場合を除いて、会社のために不利益な時期に辞任したときは、これによって生じた損害を会社に対して賠償しなければなりません。
■職務・権限
代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(会社法349)。
【取締役会非設置会社の場合】(会社法349)
(1)取締役が1人の場合は、取締役が会社を代表します。
(2)取締役が2人以上の場合は、原則として、各自が会社を代表します。
(3)取締役が2人以上の場合は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができます。
【取締役会設置会社の場合】(会社法349)
(1)取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければなりません(会社法362)
(2)代表取締役は、取締役会設置会社の業務を執行します(会社法363)
■資格
代表取締役のうち少なくとも1人は、日本国内に住所を有していなければなりません。
■任期
原則として取締役の任期が代表取締役の任期になります。
■選任方法
取締役会設置会社の場合は、代表取締役は取締役会の決議によって選任します。この場合、代表取締役の選任を株主総会の権限とすることはできません。
取締役会非設置会社の場合は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって代表取締役を選任しない限り、取締役各自が代表取締役になります。
■退任
会社との関係は委任関係ですので、いつでも辞任することができます(会社法330)。
辞任する場合は、一方的な意思表示をすることで効力が生じ、とくに会社の承諾は必要ありません。
ただし、やむを得ない場合を除いて、会社のために不利益な時期に辞任したときは、これによって生じた損害を会社に対して賠償しなければなりません。
■職務・権限
監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査します(会社法381)。
公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができます。 (会社法389Ⅰ)。
■員数
定款の定めによって、監査役を置くことができます(会社法326Ⅱ)。
取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)は、監査役を置かなければなりません。ただし、公開会社でなく、会計参与を設置している会社は置かないこともできます(会社法327Ⅱ)
通常は、定款で監査役の員数を定めます。
■資格
公開会社の場合は、定款をもってしても監査役の資格を株主に限ることはできません。
一方、公開会社でない株式会社(株式譲渡制限会社)の場合は、監査役が株主でなければならない旨を定款で定めることができます(会社法331Ⅱ、335Ⅰ)
未成年者でも意思能力のない幼少の者でなければ、監査役に選任することができます。
次の欠格事由に該当する人は監査役になれません(会社法331Ⅰ、335Ⅰ)。
(1)法人
(2)成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
(3)この法律若しくは中間法人法(平成十三年法律第四十九号)の規定に違反し、又は証券取引法第百九十七条第一項第一号から第四号まで若しくは第七号若しくは第二項、第百九十八条第一号から第十号まで、第十八号若しくは第十九号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号まで、第二十一号若しくは第二十二号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十五号若しくは第十六号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
(4)前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができません(会社法335Ⅱ)。
■任期
監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなります(会社法336)。
公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く)において、定款によって、取締役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます(会社法336Ⅱ)。
■選任方法
監査役は株主総会で選任します(会社法329)。
■辞任
会社との関係は委任関係ですので、いつでも辞任することができます(会社法330)。
辞任する場合は、一方的な意思表示をすることで効力が生じ、とくに会社の承諾は必要ありません。
ただし、やむを得ない場合を除いて、会社のために不利益な時期に辞任したときは、これによって生じた損害を会社に対して賠償しなければなりません。
■職務・権限
会計参与は、取締役と共同して、計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を作成します。この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければなりません(会社法374Ⅰ)。
会計参与は、いつでも、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができます(会社法374Ⅱ)。
会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができます(会社法374Ⅲ)。
■員数
定款の定めによって、会計参与を置くことができます(会社法326Ⅱ)。
取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)は、監査役を置かなければなりません。ただし、公開会社でなく、会計参与を設置している会社は置かないこともできます(会社法327Ⅱ)
通常は、定款で会計参与の員数を定めます。
■資格
会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければなりません(会社法333Ⅰ)。
次の欠格事由に該当する人は会計参与になれません(会社法333)。
(1)株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人
(2)業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
(3)税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者
■任期
会計参与の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなります。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することができます(会社法332Ⅰ、334Ⅰ))。
■選任方法
会計参与は株主総会で選任します(会社法329)。
■辞任
会社との関係は委任関係ですので、いつでも辞任することができます(会社法330)。
辞任する場合は、一方的な意思表示をすることで効力が生じ、とくに会社の承諾は必要ありません。
ただし、やむを得ない場合を除いて、会社のために不利益な時期に辞任したときは、これによって生じた損害を会社に対して賠償しなければなりません。
●東京都23区(板橋区・豊島区・北区・練馬区・千代田区・中央区・文京区・江戸川区・荒川区・品川区・渋谷区・目黒区・大田区・足立区・葛飾区・杉並区・新宿区・墨田区・江東区・世田谷区・台東区・中野区・港区)
●東京都23区外(大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村・立川市・昭島市・日野市・武蔵村山市・東大和市・国分寺市・国立市・小平市・東村山市・西東京市・清瀬市・東久留米市・青梅市・福生市・羽村市・あきる野市・西多摩郡・八王子市・武蔵野市・三鷹市・府中市・調布市・小金井市・狛江市・多摩市・稲城市・町田市)
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