(1)経営事項審査制度とは
経営事項審査とは、公共工事(国または地方公共団体等が発注する建設工事)を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。
■この審査には建設業者の経営規模の認定、技術力の評価、社会性の確認、経営状況の分析があります。
①経営規模の認定(X)、②技術力の評価(Z)、③社会性の確認(W)、④経営状況の分析(Y)を行い、客観的評価がつけられます。
■経営事項審査は、申請により行われます。
■経営事項審査を受ける業種は、建設業法の許可が必要です。
(2)経営事項審査申請の種類
①「経営規模等評価結果通知書」と「総合評定値通知書」の発行を申請する
②「経営規模等評価結果通知書」の発行を申請する
③「総合評定値通知書」の発行を申請する
申請は、①から③までの中から申請者が選択します。
審査手数料は、①から③までのどれを選ぶかによって金額が異なります。
東京都をはじめ国や他の地方公共団体の多くが公共工事の入札参加資格審査において、総合評定値を有していることが条件になっています。この場合は①を選択します。
(3)審査項目の内訳
■経営規模(X)
・完成工事高(X1)
・自己資本額(X2)
・利払前税引前償却前利益(X2)
■技術力(Z)
・技術職員数
・元請完成工事高
■その他の審査項目(社会性等)(W)
・労働福祉の状況
・建設業の営業継続の状況
・防災活動への貢献の状況
・法令遵守の状況
・建設業の経理の状況
・研究開発の状況
・建設機械の保有状況
・国際標準化機構が定めた規格による登録の状況
■経営状況(Y)
・純支払利息比率
・負債回転期間
・売上高経常利益率
・純資本売上総利益率
・自己資本対固定資産比率
・自己資本比率
・営業キャッシュフロー(絶対値)
・利益剰余金(絶対値)
●総合評定値(P)
経営状況分析(Y)の結果と経営規模等評価(X、Z、W)の結果により算出した各項目を総合的に評価するものです。
総合評定値(P)は、許可行政庁(東京都)に経営規模等評価(X、Z、W)の申請をした建設業者から請求があった場合のみ通知します。
(4)経営事項審査の申請時期
毎年公共工事を発注者から直接請け負うためには、定期的に経営事項審査を受ける必要があります。
定期的に経営事項審査を受けるとは、公共工事の発注者と請負契約を締結する日の1年7か月前の日の直後の事業年度終了の日(=審査基準日)以降に経営事項審査を受けている(結果通知書の交付を受けている)ということです。
指名競争入札の参加資格審査等にあわせて経営事項審査の申請を行うときは、経営事項審査結果通知書の有効期限が切れることがあるので注意が必要です。
結果通知書の有効期限が切れると、公共工事発注者が作成する指名競争入札用名簿に名前が登載されても公共工事の請負契約が締結できません。
経営事項審査の基準簿とは、申請日の直前の審査基準日(決算日)です。
例)12月31日決算の会社申請の考え方
→平成23年12月31日決算に基づく申請は、新たな決算を迎える日(平成24年12月31日)の前日までに申請することが必要です(新たな決算を迎えた日(平成23年12月31日)以降できません)。
(5)経営事項審査にかかる費用
経営事項審査を申請するためには、手数料を納めなければなりません(約1万円~7万円)。
●東京都23区(板橋区・豊島区・北区・練馬区・千代田区・中央区・文京区・江戸川区・荒川区・品川区・渋谷区・目黒区・大田区・足立区・葛飾区・杉並区・新宿区・墨田区・江東区・世田谷区・台東区・中野区・港区)
●東京都23区外(大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村・立川市・昭島市・日野市・武蔵村山市・東大和市・国分寺市・国立市・小平市・東村山市・西東京市・清瀬市・東久留米市・青梅市・福生市・羽村市・あきる野市・西多摩郡・八王子市・武蔵野市・三鷹市・府中市・調布市・小金井市・狛江市・多摩市・稲城市・町田市)
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