【2】自筆証書遺言の作成


1.自筆証書遺言とは

 

【自筆証書遺言とは・・・】

 

遺言者が、誰にも知られずに、1人で作成することができる遺言です。

 

【自筆証書遺言の作り方】

 

遺言者が、遺言書の全文、日付及び氏名を「自書」し、押印しなければなりません。

 

本人の自書でなければならないので、ワープロやタイプで印字した遺言は無効です。

 

また、録音したり、代筆してもらった遺言も無効になりますのでご注意下さい。

 

印鑑の種類に制限はありませんので、実印でも認印でも構いません。

 

遺言書の中に加除その他の変更がある場合は、その場所に変更した旨を付記して、署名押印しなければなりません。

 

■メリット■

 

誰にも知られずに、簡単に作れて、費用がかかりません。

 

■デメリット■

 

形式や内容に不備等があると、遺言の効力が無効となります。

 

紛失・偽造・隠匿などの危険性があります。

 

相続発生時には、まず、家庭裁判所に遺言書の検認の申立てをする必要があります。

 

【根拠となる法律】

 

◆民法第968条

 


2.自筆証書遺言原案作成手続きの流れ

 

当事務所に、自筆証書遺言の原案作成をご依頼いただいた場合の、手続きの流れは次のとおりです。

 

【1】ご相談・ご依頼のお申込み「お客様」

 

お電話・FAX・メールにてお申し込みください。

お電話:03-6279-8041

(年中無休/午前9時~午後7時)

メール:こちらのフォームをご利用ください。

 

【2】サービスのご説明・お見積もり「当事務所」

 

サービスの詳細についてご説明いたします。

また、登記事項証明書や戸籍等をご用意いただければ、事実関係を確認させていただきます。

ご依頼の内容に応じて、お見積もりをいたします。

 

【3】お支払・ご入金

 

(着手) お客様 業務報酬と実費のご入金をもって、正式なご依頼とさせていただきます。 

 

【4】推定相続人関係図(親族関係図)作成「当事務所」

 

現在の戸籍からさかのぼって、戸籍を収集していきます。 

 

【5】財産目録の作成「当事務所」

 

名寄帳・固定資産評価証明書・不動産の登記事項証明書・公図などの不動産関係の資料を取得します。 

 

【6】打ち合わせ「当事務所」「お客様」

 

自筆証書遺言の原案を作成するために、打ち合わせを行います。

メールやお電話でも可能です。 

 

【7】自筆証書遺言書原案の作成「当事務所」

 

自筆証書遺言の原案を作成します。 

 

【8】自筆証書遺言の作成(完了)「お客様」

 

自筆証書遺言の原案を見ていただき、納得がいくまで内容を確認していただき、納得いただいた段階で自筆証書遺言を作成していただきます。 

 


3.自筆証書遺言の記載例

 

記載内容は大幅に省略していますが、大事なところだけピックアップしています。

 

【第1条】

下記不動産を長男○○に2分の1、二男○○にそれぞれ2分の1ずつ相続させる。

 

 1 土地

   不動産番号 ○○○○

   所在 板橋区板橋一丁目

   地番 ○○

   地目 宅地

   地積 ○○平方メートル

 

 2 建物

   不動産番号 ○○○○

   所在 板橋区板橋一丁目○○

   家屋番号 ○○

   種類 居宅

   構造 木造瓦葺2階建

   床面積 ○○

 

【第2条】

第1条記載以外の預貯金等すべての財産を長男○○に相続させる。

 

2 長男○○は、前項の財産を相続する代わりに下記費用を負担・承継する。

 (1)遺言者の葬儀・埋葬費用

 (2)遺言者の公租公課・入院費等の未払い金

 (3)本遺言執行に関わる一切の費用

 (4)その他遺言者の一切の債務

 

【第3条】

長男○○が、遺言者と同時もしくは先に死亡した場合は、~を長男○○の子△△に相続させる。

 

【第4条】

遺言者は、本遺言の遺言執行者として行政書士○○を指定する。

 

2 遺言者は、遺言執行者に対して、本遺言執行のため、相続人の同意を要しないで、預貯金の解約・払戻し・名義書き換えその他遺言執行に必要な一切の権限を与える。

 

(付言)

この遺言は、私が自分の財産をどのように遺すのが一番良いかをよく考えて決めたものです。

~という理由から、長男○○に多くの財産を遺すことになりましたが、どうか理解してください。

 

【本旨外要件】

 

遺言者の住所・職業・氏名・生年月日

 

遺言者 ○○ 印

 


4.自筆証書遺言原案作成のポイント

 

自筆証書遺言の原案を作成する際の、重要なポイントは次のとおりです。

 

(1)遺言者の希望に沿っているか?

 

(2)遺言執行者を指定しているか?

 

(3)付言を書いているか?

 

(4)受遺者が遺言者より先に死亡した場合に、誰に相続させるかを書いてあるか?

 

(5)葬儀費用や債務の負担者を明示しているか?

 

(6)遺留分に配慮しているか?