会社法では、「本店の所在地」(定款に記載する)と「本店の所在場所」(登記すべき事項)を使い分けています。
「本店の所在地」とは、本店の所在する独立の最小行政区画(市・町・村を指しますが、東京都23区と政令指定都市では区)のことです。
「本店の所在場所」とは、設立登記において登記すべき事項であり、何県何市○丁目○番○号という、本店が現実に所在する具体的な場所のことです。
定款で「本店の所在地」を定める方法は3つあります。
①最小行政区画まで記載する方法
・市 ー 県名と同一の市のときは県名を省略し、そうでないときは、都道府県名を冠記します。
・町・村 - 都道府県名と郡名を冠記します。
・東京都23区 - 区を単位とします。
・政令指定都市 - 市だけを記載します。(注)区まで定めた場合は②に該当します。
この場合、本店の具体的設置場所は取締役会等で定めます。
定款で定めた最小行政区画内の他の場所に本店移転するときに、定款の変更手続きが不要となります。
株式会社の場合は、株主総会を開催する手間を考慮し、①の方法をとる会社が多いようです。
②具体的所在場所まで記載する方法
本店を移転するには常に定款の変更手続きが必要です。
中小企業の場合は、定款変更の手続が比較的簡単なので、②の方法をとる会社が多いようです。
③起番区域まで記載する方法
この方法はあまり取られていません。
※①の場合でも設立登記の段階では、具体的に確定している必要があります。
会社法により、株式会社の事業年度は1年を越えることができません。
事業年度は定款の任意的記載事項(記載しなくてもよい事項)ですが、例外なく定款に規定を置いています。
事業年度の定め方は、年1期の形がほとんどですが、必要に応じて年2期とすることもできます。
月初めから月末までとするのが通例ですが、月の途中から始まる形でも構いません。
比較的会社が忙しくない時期を選び、じっくり決算に取り組めるように決めるのがよいでしょう。
一般的には、4月1日から翌年3月31日までを営業年度とする会社が多いようです。
※法人の税務申告は決算日から2ヶ月以内です。
【まめ知識】
2月末に決算をする場合は、うるう年がありますので、「2月28日まで」ではなく「2月末日まで」と定款に記載します。
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